のの狂言
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新年おめでとうございます
この年始は(残念ながら)舞台の予定がなく、久しぶりにのーんびりした正月を過ごしました。だらけすぎて風邪を引きまして、まだちょっと調子がよくありません。
さて今日はこれからこの船に乗ります。客船の年始クルージングで狂言をするという企画。豪華客船はもちろん初めて、世界が違うようなのでキンチョーしてます。
以前に小三郎さんは船酔いになって大変だったそうです。今回はみんなバッチリ酔いどめ薬を服用して、舞台をつとめます。
昨日は忘年会をはしごした。忘年会に出ていながら自覚がなかったけれど、言われて気づいた。今年はあと半月だ! なんてのんきなんだ。
狐をやるためにずーーっと後回しにしてやり残してきたことがいろいろあって、それがまだ残っている。そういえば、だから、新しいことをほとんどしてないじゃないか。新しいことは新年からにするにしても、年内のことは早くかたをつけなくては。焦れ焦れ。
一年経ちました。野村又三郎師の命日です。
みなさからご心配をいただき、おかげをもってとりあえず一年過ぎました。ありがとうございます。
周囲に安心していただくためには、新しい又三郎家として引き締まった存在感を示していかなければ。能楽界では若いグループといっても、いちばん活躍できるときでもありますし、ここをおさえれば将来もよいはず。
いつか小三郎さんが当主を名乗る日には、呼び方をどうしようかなぁなどと考えています。まだ気が早いでしょうか。もちろんその前に私もやるべきことはありますね。ときどきは又三郎師の写真と向き合って、引き締めていきたいと思います。
今日は万作先生のとこの深田さんの狐を拝見して来ました。チケットなんてたちまち売り切れで見られないと思っていたのですが、はからずも用意していただけて。ありがとうございます。
客席はいつ以来だか思い出せないほど久し振り。さて椅子に腰掛けてゆったり鑑賞できるかとおもいきや、自分が十月末に披いて後、狐から解放されて落ち着いていた気持ちが、またずーんと重くなってきました。知っている人が何人かは来場していたはずなのですが、さがして楽しく挨拶する気にもなれずじっとしていました。
鶏聟をやり過ごし(申し訳ありません)、中の舞にも乗れず、釣狐になりました。
自分の所のやりかたと違うのが最初は気になるのですが、やはり動作のキレは万作先生仕込みだなと感心。ですがそういうことも語の間には忘れてしまい、息を吸ったり詰めたりと一緒にやっている気分に。語りまでは落ち着いて、罠を見つけて、餌にほだされ、演じる本人も息苦しくなる。あーもう気持ちわかりすぎる。
中入。猟師もいいです。普段の狂言だと観客をおちょくって笑わせてるようなのが(悪い意味じゃないですよ)、今日はしっかりした演技で。私もやりたくなりました。
後シテはうちよりいろいろあって大変そう。餌の周りをあっち行ったりこっちいったりって、どういう気分なんでしょう。狐の気持ちですからね。うちはじーっと見てる時間が長いんですよね。
やはり釣狐の披きは、充分稽古しても体力があっても、本番の苦しさは初めて体験するもの。そこで限界を狙うからたいへんです。限界以内で済ませて何か足りなかったとは思いたくないし。観客本位ではないかもしれませんけどね。
私の披きの前に、諸先生方があたたかい言葉やアドバイスをくださったんですが、なんかちょっと気持ちがわかります。狐をやると一人前と言いますけど、言い方を変えると、狐をやったら仲間に入れてもらえるってのかもしれません。深田さんに手紙でも書きたい気分になっちゃいましたもん。
肩こって疲れて帰りました。
深田さんほんとにお疲れ様でした。披きおめでとうございます。
うちと実家の中間あたりに、今年アウトレットパークができました。
アウトレットなんて高いものを割り引いて売るだけじゃん、もともとうちは安いものしか買えないんだから行かないよ、なんて思っていたのですが、いちど着物が入る旅行鞄を買いに行き、また先日革靴を買いに行きました。革靴を買ったのはずいぶん久し振りです。これまで履いてきた黒い革靴はもう十年にはなると思います。
能楽師の多くは、能楽堂へ行くのに背広を着ます。「昔は紋付を着ていないと楽屋へ入れなかったんだよ」と言う話を又三郎師から聞いたことがありますが、それが背広になったというところでしょう。もっとも、ジャケット程度の人とか、もっとラフな人も少なくはありません。特に狂言方は。
背広を着ていくといってもこれは通勤着で、楽屋へ入ったらじきに紋付に着替えてしまいます。ですから革靴も背広も、いやでも長持ちするのです。反対に紋付は、舞台に出なくても着るものですし、それで楽屋を走り回ったりしますから、背広より早く傷んでいきます。紋付のほうが高いのに困ったものです。
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