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今年もよろしく

皆様こんにちは。大変ご無沙汰しています。

平成も二十年になりました。私が狂言を始めたのは、昭和最後の六十三年。ですからやはり今年が二十年になります。
昨年は私たち野村又三郎一門にとって、大変な年になってしまいました。これまでこちらでご報告もしていませんでしたが、三月あたりから又三郎師が体調を崩され、十二月十二日に亡くなられました。
その間にも、五月には名古屋で五十回記念のやるまい会があり、又三郎師もとりわけ元気に、大曲「歌仙」のシテ僧正遍照をつとめ、さらに「金津地蔵」のシテすっぱでは、孫の信朗君を背負って橋掛を駆け込み、皆を驚かせました。まさかこの様なことになるとはだれも思っていなかったのです。
明治維新以来、社会の変化や戦争で能楽界も混乱し、多くの流派、家元までがつぶれてきました。狂言の家のうちで、最後まで不安定さが続いていたのが又三郎家でした。又三郎師は終戦後シベリア抑留から帰り、たった一人でもあきらめずに地道に狂言を続け、一門と呼べるまでに育ったのは平成になってからです。まわりでは派手な功績が評価されているなかで、自分が受け継いだものを黙って地味に続け、育てて引き渡したことは、一代限りでない、じつは非常に大きな功績であるといえます。
これからは若手の小三郎氏が一派を率いることになります。ご支援をよろしくお願い致します。

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