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御物語申して候

国立能楽堂で頼政のアイを勤めてまゐりました。

「語り間」は、とにかく覚えることが一仕事です。駅までの往復、もごもご言いながら歩いておぼえたりします。徒歩16~7分の距離なのでちょうどよいところです。アイはだいたいそんなものです。

ところが今回の頼政は長い。この間に言い切れませんでした。

意外に思われるかもしれませんが、間語りは一部を略すことがよくあります。

間の本来の台本では、本筋の話に逸話を足してあることが多く、長すぎるものが少なくありません。シテはとっくに着替え終わるし、前後が離れすぎてしまう。かといって急いでも語れない。そんなときは逸話部分をカットして、全体をしっかりめの調子に語るのです。(覚えるのが大変だから、ということもないではないですが…)

一方、国立主催の公演は文化財としての記録もしているので、本来の台本を提出しています。今回は一部カットをしようかどうしようかと、楽屋入りしてからも考えていました。

結局、シテの高林先生にご挨拶をしたときに「どうぞ存分に」と仰られたこと、それと、解説の馬場あき子さんがアイの語りについても触れたことから、カットなしでいくことにしました。

それなりに、ダラダラしないよう、かつ走らないように気をつけながら、存分に語りました。ワキとの掛け合いを入れて20分だったようです。久し振りに大汗をかきました。

楽屋では小三郎氏たちから長い長いと笑われ、国立のかたからも「頼政は長いですね」といわれ…。

長すぎましたか?

国立能楽堂普及公演3/13

3月13日土曜日 1時開演

解説「頼政と埋もれ木の歌」 馬場あき子

狂言「鏡男」 松田高義 奥津健太郎 野村小三郎

能「頼政」 高林白牛口二 高井松男 野口隆行 他

鏡男は、都へ行った男が、おかみさんへのお土産に、まだ田舎では珍しい鏡を買って帰ったことで騒ぎになるはなし。

私は頼政のアイです。

京都観世会

昨日は私達野村又三郎家が、京都観世会例会に出演させていただきました。

このようなシテ方の「例会」は、通常は地元の能楽師を中心に行われます。又三郎家は名古屋の例会には出演していますし、また京都ではその機会がなかったのですが、今回初めてご依頼をいただいたのです。最初にこの話を聞いたときは「大変だ!」といいつつ、皆で喜びました。

能三番のアイと、狂言一番は、少人数の一門としてはちょっとした大仕事です。また慣れない環境でもあり緊張をしましたが、京都の観世流の先生方は、ちょくちょく狂言の楽屋にも入ってきて、とても気さくに話しかけられ、気を遣ってくださいました。今回の狂言は「柑子俵」で、信朗くんと大俵も、なにかと話のタネになりました。

終演後、皆で西陣にある野村家菩提寺の浄福寺へ行きましたが、五時も過ぎて閉門してしまっていたので、塀の外から、先生やご先祖に今回の報告とお礼をして帰りました。

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