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武悪の鼻

先日、東京目黒区の小学校で狂言教室をしてきました。同僚O君が目黒区民なので、そのような話をいただくようになり、年に数校ずつ実施しています。

小学校6年生あいてで、まず国語の教科書に載っている「柿山伏」の実演。それから体験があって、O君が狂言の面の話をします。
狂言の面といえば、やはり乙と武悪は外せない、といっていいでしょう。他には、猿、狐、けんとくなどを出すこともあります。
ところ武悪を見せると、必ず返ってくる反応が、「鼻の穴でけー」です。

武悪をつける役、鬼ですが、動きがけっこうあるので、目も鼻も穴を大きくあけて周囲を見やすくしているのだと思います。それと強い大きな声をはっきりと外に出すためということもあるでしょう。

O君はそこでたいてい「小学1年生にみせると、鼻の穴に指突っ込みたがるんだよね」といいます。そういえば私も、子供の頃は神社の獅子舞の獅子の鼻の穴に指を突っ込んでいました。みんなやっていました。
でも先日の学校では案外、6年生なのに指を突っ込みたがっていました。しかも女の子まで、2本の指を立てて…。校風でしょうかね。

国立能楽堂30周年

先日の話ですが、千駄ヶ谷にある国立能楽堂が開場30周年を記念して、豪勢な番組の催しをしました。

番組をみていて、昔ならばこういうのは将軍や大大名が催したものだろうけれど、将軍も大名もいない現代にこれができるのは国立能楽堂だけだろうなと思いました。周年の祝賀のために能楽師たちが集まって特別なものを演じるなんて、国立能楽堂が「お上」のかわりなのかなぁと。なんとなく違和感があるのですが。
でも私は国立能楽堂が出来てから能楽界に入りましたが、それより前に、国立能楽堂建設を働きかけ待ち望んでいた世代の先生がたは、やはり祝賀気分もひとしおなのでしょうか。

私も地謡や後見に入れていただきました。地謡は、萬先生の「庵の梅」、萬斎さんの「老武者」。 同じ和泉流でも他家の狂言を謡えるのは嬉しいことです。
「庵の梅」は能の老女物にたとえられる大曲ですが、ここへきて萬先生は、野村又三郎派・山脇派系統の演出を取り入れて、ご自身の庵の梅をつくられたのにはおどろきました。よほど熟考された上でのことでしょうし、そのような舞台に加えていただけたことは本当にありがたく思いました。
「老武者」は以前、万之介先生のシテで、本当に老人と若者の演者に別れて演じた公演があり、そのときも地謡をしました。万之介先生はあまりご健康でなかったのでリアルに老人ぽく、うちの先代又三郎師は最年長なのに一際元気にみえたことなどを思いだし、お二人とも故人となられたこと寂しくおもいました。
私達も国立能楽堂60周年ぐらいまでは元気に出たいものです。



狂言三の会 10/19名古屋

第十二回 狂言三の会

 十月十九日土曜日 午後二時開演(午後一時十五分開場)
  名古屋能楽堂
狂言『鐘の音』かねのね
 藤波徹 伴野俊彦
狂言『鏡男』かがみおとこ
 野口隆行 奥津健一郎 奥津健太郎
狂言『牛盗人』うしぬすびと
 野村又三郎 松田髙義 伊藤泰 奥津健太郎 野村信朗
全席指定 5000円  学生3000円
(狂言三の会会員 2000円 学生0円)
狂言三の会事務局
E-mail kyogen.3-no-kai@ezweb.ne.jp
fax. 042-392-5596
tel. 090-6707-4714(平日9-20時)
 E-mailまたはファクスでのお申し込みがスムーズです。

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又三郎氏の長男、信朗(のぶたか)くん、初舞台「靱猿」鏡の間で泣き出してしまったのも、はや9年前。中学生になった今年で子方は卒業なのです。能の「烏帽子折」のような華やかな子方卒業曲はありませんが、最後の披露は《やるまい会東京公演》で番外狂言「善意」。でもその前に名古屋でも披露しないんですか?しなくちゃいけませんよねと、私と同僚O君とで又三郎氏を説得して実現した、子方が活躍する感動作「牛盗人」です。

初番「鐘の音」は、年配ながら意欲満点で昨年能楽協会に入会した藤波徹・伴野俊彦両名。課題曲として与えられたこの曲を、稽古を積んで勤めます。

「鏡男」は、なんとなくたわいない狂言が好きな私と、同僚O君の「女が出る狂言がいいんじゃない?」という意見をあわせて、しかも親子で出られるじゃないと、両者の意向がピッタリ合って決まった曲。というわけでたわいないけどオススメです。

第29回 狂言『やるまい会』東京公演12/8

平成25年12月8日 日曜日 午後一時開演
於 十四世喜多六平太記念能楽堂(目黒駅)

先代野村又三郎七回忌追善

能「半蔀 立花供養」
シテ里女/夕顔の霊 小早川修  ワキ雲林院の僧 宝生欣哉  アイ能力 野村又三郎
笛 一噌隆之  小鼓 鵜澤洋太郎  大鼓 柿原弘和
後見 浅見真州 浅見慈一
地謡  清水寛二 西村高夫 柴田稔 馬野正基 谷本健吾 小早川泰輝

狂言小舞「尼ケ崎」
奥津健一郎

狂言「善意」
男 野村又三郎  有徳人 奥津健太郎  金法師 野村信朗

狂言「仁王」
博奕打 野口隆行  何某 松田高義  在所の者 藤波徹  在所の者 伊藤泰

前売 正面5000円,脇正面4000円,中正面3000円,二階3000円
学生は各千円引き
当日券は千円増

お申し込み
野口隆行 nono.noguchi@nifty.com
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