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昆布売 こぶうり

シテ・昆布売  アド・何某 (シテ・大名 アド・昆布売 などにも)

 七月七日の七夕。北野天満宮では「おちょうず」と呼ばれる御手洗(みたらし)祭があり、一人の侍(または大名)が出掛けます。

 家来が用事で留守なので、自分で太刀を持って出掛けますが、どうもこれは格好が悪い。ちょうど通りかかった若狭国小浜の昆布売りを呼び止めて無理に同行し、太刀を持ってくれないかと頼みます。もちろん昆布売りはそんなに暇ではありません。いろいろ言って嫌がるのですが、侍が太刀の柄に手をかけて脅すので、しぶしぶ持つことに。

 昆布売りは太刀の持ち方を教わって、褒められたりしているうちに、ちょっとその気になって「家来のように呼んでもいいですよ」と言います。しかし悪乗りした侍に、いきなり叱りとばすように命令されたものですから、とうとう腹を立て、太刀を抜いて侍を脅します。

 ここから立場逆転。昆布売りが家来になるどころか、侍は長裃すがたの昆布売りにされてしまいます。
 調子の良い売り文句に、「謡い節」「舞い節」「踊り節」とさまざまな節をつけた売り方を教わります。侍は器用にこなしているうちに、いつの間にかうきうきとしているようす。さあこれだけやったら太刀を返してくれるだろうと思いきや、昆布売りは太刀を持って逃げていってしまうのでした。

 御手洗祭に出かけるので夏の狂言ですが、そのほかに季節感はありません。もしかしたら昆布の行商に出るのもこの季節だったのでしょうか。昆布売の台詞に「毎年都へ昆布を商売に参る」とあり、「いつも都へ」ではないところも、ひょっとするとそういう意味なのかも?
北海道で採れる昆布が干され、北前船で若狭湾に運ばれ、小浜で加工され、そこから都へ、という行程だったそうです。ネットでちょっと調べましたが、時期的なはなしまではわかりませんでした。



 

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