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乱能

ご無沙汰しております。
今月十七日、間もなくですけども、鎌倉能舞台四十五周年記念の「乱能」があります。能楽師が専門の役をごちゃ混ぜに入れ替えて能をするという、お祭りみたいな催しで、普段能狂言を見慣れているかたには、けっこうおもしろいものです。もうとっくにチケットは完売とのことです。

私も今回、半能「吉野天人」のワキツレと、能「安宅」の地謡の役をいただき、今日はその申し合わせがありました。
吉野天人のワキツレって、言ってしまえば大したことはしないのです。ワキについて出て行って、短い謡を二カ所うたって、あとは座っているだけ。「安宅」の地謡はもっといろいろありますが、滝流という小書きがあって、途中が抜けるので、長くはない。ですが、いざやってみるとぜんぜんイメージ通りにできない。むずかしいのです。
この難しさは何だろうとかんがえるに、チームワークに慣れていないということなんでしょう。狂言はほとんど一人ずつの役が対話をするものですし、アドが数人並んでうたったりするにしても、「アシライ」といわれるシンプルなお囃子が、謡に合わせて「あしらって」くれているのです。その感覚で能に出てしまうと、ワキ四人とか、地謡六人でうたっていても、一人で耳をふさいでうたっているようなものですし、ましてお囃子とのやり取りなど全くできずに、なんにも組みあがらないのです。
反対に、安宅の地謡の後のほうで、少しお囃子を聞く余裕ができて、合わせて歌ってみると、当たり前ですが、とってもよくハマるようにできている。立体的なものが組みあがる感覚がでてくるのですね。

乱能は、見方によっては素人芸を見せるわけで、流儀によってはそんなものには参加しないと言い合わせているところもあるのだそうですが、ただ他の役のことを稽古するだけで知れなかったことがわかるということも多々あります。その苦労や、視点の新鮮さが楽しくて、出演料が出もしないのに、稽古から多くの時間を割いて大勢の能楽師が出演するのですね。

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