棒縛 ぼうしばり

シテ・太郎冠者 アド・主 二アド・次郎冠者

主人は、自分が他所へ出かけるたびに、太郎冠者と次郎冠者が酒を盗み飲むと聞いたので、先ず次郎冠者と相談をする。太郎冠者に近頃嗜む棒術をさせて、隙をみてその棒に縛りつけてしまう。続いて次郎冠者も後ろ手に縛り上げ、主人は出かける。
縛られた二人の冠者はまるで懲りもせず、縛られた格好のまま藏の戸を開け、酒壷の封をあける。さらに思案の末に酒を酌み、飲むことに成功する。
酒宴は盛り上がり、不自由な姿で舞をまい、ついには縄をも解いてしまうが、その間に主人は帰宅していた。しかし二人の冠者は、盃の酒に映る主人の姿を見てもまだ現状を理解せず、主人の執心が映っているなどといって謡い笑う。しまいに怒った主人に追いかけられ、二人は逃げてゆく。
後ろ手に縛られた次郎冠者は「七つになる子」、棒に縛られた太郎冠者は「暁の明星」を舞う。最後の謡は、能「松風」の一節。